ブログ

按摩・マッサージ
斜角筋痛の一例
例によって例のごとく、ものすごくブログをご無沙汰していますが、面白い症例があったので紹介。
左斜角筋の違和感、痛みを訴える。触れると前斜角筋、中斜角筋に緊張。このような緊張が出ると、一種独特の灼熱痛にも似た症状が出て、非常に気持ちが悪い。
まず、無難に、斜角筋に促通リリース。でもこのケースの場合、全身に対応しなければうまく効果は出ません。
次に、左第1肋骨にスティルテクニック。左の第3頸椎と第4頸椎にカウンターストレイン。更に、鎖骨を長軸方向に牽引するようにリリースし、最後に胸郭上孔の全体を間接法的にリリース。
でも、以上の方法はあくまでも部分的な対処であって、長い目で見れば、元に戻る可能性もあります。そこで、全身を見据えた治療。
胸膜は、第1肋骨に付着していますので、前述の治療とともに、胸郭に対しリコイルを行うことで、胸膜の緊張を寛解させます。更に、斜角筋は胸郭を挟んで腹直筋と拮抗関係にありますので、腹直筋圧迫。腹直筋は鼠径靱帯を挟んで、だいたい前面の筋膜と連絡しますので、そこを筋膜リリース。案の定、圧痛と緊張がありました。更に、脛骨粗面を介して下腿前面の筋と連絡しているので、総指伸筋をリリース。第2指に圧痛がありましたが、下腿前面を解放することにより消えました。
斜角筋は僧帽筋などとともに、三角筋に筋膜を連絡しています。そこで同側の三角筋、上腕外側筋間中隔をリリース。続けて前腕後側の指伸筋。
これで、左斜角筋の緊張と違和感が相当消えました。
院長・羽山弘一