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按摩・マッサージ

頭蓋骨の方向性と腹部内臓

頭蓋オステオパシーと言われているものがある。オステオパシーにおいて行われる手法で、頭蓋骨の動きを手指で検知し、その動きの変化を修正していくというものである。

むろんその動きは目に見えないほど微細なものである。相当触診力がないと理解できない。しかし、いったん触診力が研ぎ澄まされていくと、頭蓋骨だけではなく、全身の状態がわかるようになる(らしい)。

らしいというのは、ぼく自身まだそこまでは至らないからである。頭蓋骨から、全身の状態がくまなくわかるという達人になるのには、おそらく後200年ほどかかると思う。

しかしある程度のことはわかる。

先日遭遇した患者さんの2例。

1,右横隔膜の制限
頭蓋骨を見ていると、右下方に引かれるものを感じた。およそ体幹の中央付近。そこで調べてみると、横隔膜の右肋骨部に動きの制限があり、硬く感じられる。右横隔膜をリリースした後に頭蓋骨を再び見てみると、右体幹中央に引き寄せられる感覚がなくなり、ニュートラルになっていた。

2,左腎臓下垂
頭蓋骨を見てみると、左腹腔に引かれるものを感じた。そこで調べてみると、明らかに左の腎臓が下垂している。特に姿勢不良の人は、大腰筋筋膜の上を滑るように腎臓が下垂しやすくなるのだが、ちょうどそのような状態である。腎臓の位置を挙上させるように手技を施した後に頭蓋骨を再び見てみると、左腹腔に引き寄せられる感覚がなくなり、ニュートラルになっていた。

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