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東洋医学

湿証(水毒)

湿証(水毒)とは、本来身体内を潤滑に巡っている水が停滞して、身体自体に害毒を表した状態を言う。体の重だるさ、頭重などを訴える。

脈を見ると、「(なん)」「」「」あるいはそれらの複合が多い。

濡脈とは、浮いていて細く軟かく、強く押さえるとかえってわからなくなるものである。陰虚とともに湿証がある場合によく現れる。

細脈は、沈を取ると、脈は糸のように細く軟らかく弱いが、よく探ると細く糸のように感じることができる。気血両虚に湿証が加わっているときによく見られる。

緩脈は、一呼吸の脈が4程度の遅い脈であり、脾胃虚弱を伴った湿証に多い。

いずれにせよ、湿証には虚証がつきものである。したがって、湿の停滞にアプローチするとともに補法も加えなければならない。

濡脈が強く出ているときは、陰虚がある。したがって、陰を補う必要がある。この時の陰は、多くは足太陰脾経だが、時には複合して出ている時もある。濡脈の場合は、公孫や水分、あるいは大巨などを瀉法して水毒を流すと共に、三陰交、大白などを補う。

細脈が出ているときは、気血両虚がある。水毒を瀉しすぎると、かえって虚証が強くなることがあるので注意が必要である。軽く瀉を行い、太溪、大白、中かん(月+完)、関元、脾兪、腎兪などを補う。

緩脈が出ているときは、脾胃を補わないといけない。大白、中かん、上かん(月+完)、章門、脾兪、胃兪、三焦兪などである。

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