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東洋医学

脾虚と肺虚

脾は、胃腸に働きかけて水穀の気と水を飲食物から取り入れます。取り入れられたものは気と津液に変化し、まず肺に運ばれます。これが東洋医学の考え方ですね。

肺は、全身に気と津液を散布します。

このときの気は、脾気と肺気が合わさったもので、営気です。すなわち、体中を巡り営養を与える活力の元となる気です。

もし脾虚になると、津液が不足し、且つ脾気が不足します。すると、肺が散布すべき営気も不足することとなります。

同時に、津液は脾気の力で肌肉(皮下組織)に送られますが、循環する脾気の力がないために停滞してしまいます。

すなわち、肌肉が水でぶよぶよの状態になるんですね。ひどくなれば本当に浮腫が起きます。

さてここで脾虚になると、肺もうまく動かなくなります。すると肺虚になってしまいます。

ご存じのように衛気は肺がつかさどっていますので、衛気も不足します。すると、そう理(皮膚のきめ)も閉じなくなり、だらだらと汗をかくようになってしまいます(営気も衛気も虚した状態です)。

この段階で仮に脾に邪が入ったり肺に邪が入ったりすると、津液が痰飲に変化します。痰飲とは病的な身体の水ですね。あるいは、邪が入らなくても、取り入れる水の量が変換能力を超えるなどすると、痰飲が作られます。

脾で作られた痰飲は肺に行き痰として気道にたまります。

このように、様々な病態の変化はありますが、脾虚と肺虚は密接な関係があります。脾虚がまず疑われたら、肺の状態も見る、また、気の不足、津液の滞留も見る、これが大切なことです。

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