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東洋医学

肝の熱が肺に影響する

肝が熱を帯びる場合は、肝実と肝陰虚があります。

肝実とは、肝の機能過亢進のために熱が生じ、お(やまいだれ+於)血が生じたものです。

肝陰虚は、肝血が虚し、血中の津液が不足したために熱が生じたものです。

いずれにせよ熱が生じますが、その熱が肺に達する場合があります。

いらいら、怒りっぽい、口が苦い、悪心、胸脇支満、四肢のだるさ、便秘または軟便などの肝火の病症に加えて、咳、呼吸困難、胸部の煩悶感などの病症が出ます。

中国医学では肝火犯肺といいます。

胸部には、心と肺があります。心は熱をもともと多く持っている蔵であり、それを取り囲む肺は水分を多く含み、「冷えた」蔵でもあります。

肝熱が生じると、血が滞ったり(お血)、血が不足したりします。するとその影響が心に行きます。

心は、足りない血をしっかり送りだそうとするため一層熱を帯びます。その熱が周囲の肺に移ると考えてもいいでしょう。

もし、心にも影響が出ていれば、動悸、不整脈など心虚の病症も加わります。

心は強い蔵ですからそうそう虚しませんので、心虚が出ずに熱をもらった肺の病症だけ出ることもあるのです。

あるいは、肝血は肺にも行き、宣発粛降作用を促しますが、その血分が不足するために肺の機能がうまくいかず、一層働こうとして肺に熱が生じたとも考えることができます。

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