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治療

筋違いから身体を考える。

いずれかの部位で筋を動かすと痛む、すなわち筋違いという状態があります。

多くは、肩背部や頚部に起きますが、時には背部などに起きることもあります。

このような状態になったときには、その部位に治療をするのではなく、身体全体の構造を考えて治療を施さなくてはなりません。

そもそもなぜ、筋違いの状態になるのでしょうか。

それを考えてみましょう。

何らかの原因で筋膜あるいは筋に炎症が起きているのかあるいは緊張が亢進しているように思います。

でも単にその筋だけを見ているとうまく治療ができません。

その筋が、どのような働きを示しどのような部位についているのかをまず考えます。さらにその筋の拮抗筋は何か、協調筋は何かを考えます。

その上で、その部位に負担がかかった原因を考えていきます。

単に筋違いと行っても、その原因を考え、それを取り除くかないとなりません。

たとえば肩甲挙筋に筋違いが起きているとします。

肩甲挙筋は肩甲骨上角につき、肩甲骨を挙上させる役割があります。

では肩甲骨を下垂させる筋は何でしょうか。

たとえば僧帽筋下部線維。たとえば広背筋。

もし僧帽筋下部線維や広背筋に過緊張があり、それが肩甲挙筋にひっぱりを加えいっそう痛みを強くさせていると考えればどうでしょう。

僧帽筋下部線維は、背骨のどこにくっついているのか、広背筋はどこにくっついているのかを考えるべきです。

仮に両者に問題があり、たどっていって、胸椎のいずれかと骨盤に何らかの機能障害が見つかったとします。前者は僧帽筋、後者は広背筋と関係します。

その場合、障害のある胸椎と骨盤の治療を行わなくてはなりません。

さらに、胸椎と骨盤に障害を与えた原因は何でしょうか。

日常の動作が原因かもしれませんし、あるいは、下肢に問題があるのかもしれません。膝に機能障害があり
、それが骨盤と胸椎に異常を発生させているのかもしれません。

このように、単に痛い部位にだけ治療を加えるというのではなく、身体全身を見てその原因を究明し、対処していかなければ、本当に治したことにはならないと思うのです。

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