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治療

仙腸関節の堅さ

仙腸関節とは、骨盤の後ろ、腰椎の下にある仙骨と、その両側の腸骨との間にある関節です。耳状面というちょうど耳の形の関節面によって関節が形成され、後仙腸靱帯、前仙腸靱帯などで補強されています。

この仙腸関節はほとんど可動性はありませんが、わずかに動きます。動かなければ歩くことはできません。歩行時には仙骨を基準線として少しだけですが腸骨が前後に回旋し、スムーズな動きをなしています。もし不動関節と思っていたらそれは間違いです。

腸骨は、上前腸骨棘と上後腸骨棘を結んだ線が12度というように前傾しています。

ところが、姿勢不良の人は、この前傾姿勢が逆に後傾、つまり腸骨が後方回旋していたり、回旋していなくても後方にそのまま変位していたりします。

その結果として、仙骨の痛み、仙腸関節炎、腰痛など様々な症状を引き起こします。

でも、単に腸骨の変位だけならそれほど症状は起きません。

問題は、仙腸関節固有の可動性です。

症状が起きているときのほとんどの場合、仙腸関節の可動性制限が起きています。単に腸骨と仙骨の変位だけを見て改善しようとしても意味がありません。仙骨の可動性制限を改善しないと十分に治したとはいえないからです。

その可動性はほんの数ミリです。仙腸関節を動かして、その数ミリの動きがあるかないかを見極めなければならないんです(触診力が重要です!)。

動きがない仙腸関節があれば、動きを改善させるようにします。

方法は簡単です。

仙腸関節の内側、仙骨上を母指で軽く圧迫していくだけです。それで後仙腸関節の緊張が改善し、また仙骨に動きを加えることにより、仙腸関節の可動性が改善します。

圧迫の方法はリズムと強さです。どちらも間違えると上手に可動性を改善できません。むしろ悪化する場合もあります。

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