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治療

眠りを助ける

不眠を訴える人は、かなり多いでしょう。

僕が診る患者さんの中でも不眠を訴える人の多いこと。

その不眠でもいくつかのパターンがあります。

一つはなかなか寝付けないというパターン。二つ目は、夜間目が覚めてしまうというパターン、三つめは、眠っているのに熟睡感がないというパターンです。

三者に共通して考えられるのが交感神経の興奮なのはいうまでもなく、鍼灸や、按摩、マッサージを通して治すとすれば、やはり背部脊柱起立筋の緊張を和らげるということが一番重要ではないかと思います。

特に、棘突起(背骨の中央に当たる骨)の際の奥には半棘筋、回旋筋、多裂筋といった背骨を回旋させる短い筋がありますが、これらの緊張が強ければ交感神経はより興奮しているといえるでしょう。

半棘筋は頸部で発達し、回旋筋は背部で発達し、多裂筋は腰部で発達していますが、そのどれもが交感神経と関連します。これらの筋の緊張を和らげることにより交感神経の興奮を沈静化させると、不眠に効果が上がるのはいうまでもありません。

そのうち、なかなか寝付けないというパターンの場合、頸部の半棘筋の緊張が特に見られることが多いようです。頸部がこわばっているため、なかなか睡眠に入れないというものです。治療は半棘筋を中心に頸部の諸筋の緊張を和らげるようにすればよいですし、また患者さんご自身にも首を軽く押さえる、暖めるといった処方を加えるとより寝付きがよくなることを指導すればいいでしょう。

夜間目が覚めるというときは、圧倒的に背部の筋緊張が見られます。つまり回旋筋を中心とした緊張です。胸椎を触っても、その可動性が非常に減弱しており、こうなれば回旋筋の緊張だけではなく背骨の関節そのものの拘縮も疑わせます。

治療は回旋筋を中心として背部諸筋の緊張を緩めるとともに、背腰部、頸部の脊柱関節の可動性を改善させるようにします(もちろん寝付けないという場合も頚椎の可動性が問題ではあります)。

患者さんご自身には背腰部のストレッチをよくすることを勧めます。

熟睡感がない場合は、上述の交感神経に関連した要素の他に、例えば睡眠時無呼吸症候群などが存在することがあります。ですから肥満傾向のある人などは、減量などを進めなければなかなか治らないという場合もあります。

経穴では、「失眠」というそのものずばりの名称のものが有名です。足の裏、かかとの中央に取り通常灸をよく行いますが、かかとの周囲を含めて丹念に圧迫すれば同様の効果が得られます。経穴では、太谿(内果の後ろ)、水泉(かかとの内側中央)なども効果的です。

また、僕がよく使う経穴は肝兪です。背部の中央付近、背骨の外3センチほどの筋肉の盛り上がったところです(僕は、第7頚椎第1椎説を採ります。ですから通常よりも一つ上に採ることになります)。

肝兪の緊張は寝付きも悪くしますし、夜間覚醒も起こしやすく、また、昼間眠いという症状も起こします。

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