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鍼
気管支喘息を鍼灸で治す
一般的な気管支喘息は、気管支の収縮、気管支粘膜の腫脹と分泌物の増大が原因ですが、東洋医学的に見ると気管支や肺にだけ原因があるとは考えず、多様な見方と治療を行います。
1,脾虚肺実証
脾は気と津液を作り出し肺に送ります。しかし脾虚となり脾の機能が低下すると気と津液が不足します。
この時、津液は不足するのですけど、病的な水である痰飲を作りこれを肺に送ってしまいます。そのため、宗気(脾気と清気で作られる肺と心を動かす胸の気)が不足し、肺には痰飲がたまり呼吸困難と痰が気管支にたまるという病証が起きます。また清浄な水が肺に送られないため、肺自体は乾燥し、痰飲を出そうとする自然の働きと共に咳も出ます。宗気不足は、当然気道閉塞感を生み出します。肺自体は必要な水が少ないため熱を帯び、実となります。脾胃の病証としては、食欲不振、腹部膨満、下痢(津液が作られず排出されてしまう時)または便秘(脾虚による虚熱が生じるとき)を起こします。脈を見ると、右の関上は虚します。治療は、太白を補い脾気を充実させ、豊隆を瀉法し痰飲を流します。肺自体の熱を取るため、中府に軽く瀉法をし、経渠にも軽く瀉法を行います。経渠は、停滞した肺気を流通させる作用があります。脾兪や胃兪に鍼すると、呼吸が楽になることもあります。
2,腎虚肺実証
腎は水と精をつかさどります。その腎が虚すると、腎精不足、水の循環不足となります。そのためその影響が肺に現れ、肺は津液が不足して熱を帯びます。初期は気道閉塞感や胸悶などですが、この病証は腎精不足のために次第に肺虚になっていきます。すると、呼吸に力のない状態となる喘息となります。左右の尺中、あるいは左の尺中が虚します。全体的に弱であることもよくあります。
治療は、太溪に補法。腎兪や関元にも補法を行います。関元に灸を行うと、腎精を養う作用があるように思います。
このタイプの人は元から虚弱ですので、当初肺実でもすぐに肺虚になります。ですからぼくは肺の瀉法を行いません。肺虚になれば、大淵などで肺の補法を行います。
3,肝虚肺実証
肝陰虚から肺実になることがあります。陰熱が肺に行くため、肺が乾燥し熱を帯び気道閉塞感、胸悶が出ます。肩こりや不眠、胸脇支満を伴うことが多いようです。脈は左の関上と尺中が虚します。治療は、太衝と太溪を補います。太溪を補うのは、肝の血を創りだす腎水を補うためです。
4,肺燥証
秋に良くなる証です。肺は常に水分が必要です。しかし秋になり燥邪が侵入する結果肺が乾燥し、気道閉塞感が出ます。この病証の喘息は痰は出ません。いわゆる咳喘息と言われるタイプで秋に出るものは、肺燥症が多いようです。右の寸口が実します。しかしよく案じてみると、本来の力強さはありません。
水の供給を促すため、太白を補い、水の流を促進するため崑崙に瀉法を加えます。また、肺の機能を高めるため、太白や中府に補法を施します。灸は乾燥を助長させるおそれがあるため、普通行いません。
1,脾虚肺実証
脾は気と津液を作り出し肺に送ります。しかし脾虚となり脾の機能が低下すると気と津液が不足します。
この時、津液は不足するのですけど、病的な水である痰飲を作りこれを肺に送ってしまいます。そのため、宗気(脾気と清気で作られる肺と心を動かす胸の気)が不足し、肺には痰飲がたまり呼吸困難と痰が気管支にたまるという病証が起きます。また清浄な水が肺に送られないため、肺自体は乾燥し、痰飲を出そうとする自然の働きと共に咳も出ます。宗気不足は、当然気道閉塞感を生み出します。肺自体は必要な水が少ないため熱を帯び、実となります。脾胃の病証としては、食欲不振、腹部膨満、下痢(津液が作られず排出されてしまう時)または便秘(脾虚による虚熱が生じるとき)を起こします。脈を見ると、右の関上は虚します。治療は、太白を補い脾気を充実させ、豊隆を瀉法し痰飲を流します。肺自体の熱を取るため、中府に軽く瀉法をし、経渠にも軽く瀉法を行います。経渠は、停滞した肺気を流通させる作用があります。脾兪や胃兪に鍼すると、呼吸が楽になることもあります。
2,腎虚肺実証
腎は水と精をつかさどります。その腎が虚すると、腎精不足、水の循環不足となります。そのためその影響が肺に現れ、肺は津液が不足して熱を帯びます。初期は気道閉塞感や胸悶などですが、この病証は腎精不足のために次第に肺虚になっていきます。すると、呼吸に力のない状態となる喘息となります。左右の尺中、あるいは左の尺中が虚します。全体的に弱であることもよくあります。
治療は、太溪に補法。腎兪や関元にも補法を行います。関元に灸を行うと、腎精を養う作用があるように思います。
このタイプの人は元から虚弱ですので、当初肺実でもすぐに肺虚になります。ですからぼくは肺の瀉法を行いません。肺虚になれば、大淵などで肺の補法を行います。
3,肝虚肺実証
肝陰虚から肺実になることがあります。陰熱が肺に行くため、肺が乾燥し熱を帯び気道閉塞感、胸悶が出ます。肩こりや不眠、胸脇支満を伴うことが多いようです。脈は左の関上と尺中が虚します。治療は、太衝と太溪を補います。太溪を補うのは、肝の血を創りだす腎水を補うためです。
4,肺燥証
秋に良くなる証です。肺は常に水分が必要です。しかし秋になり燥邪が侵入する結果肺が乾燥し、気道閉塞感が出ます。この病証の喘息は痰は出ません。いわゆる咳喘息と言われるタイプで秋に出るものは、肺燥症が多いようです。右の寸口が実します。しかしよく案じてみると、本来の力強さはありません。
水の供給を促すため、太白を補い、水の流を促進するため崑崙に瀉法を加えます。また、肺の機能を高めるため、太白や中府に補法を施します。灸は乾燥を助長させるおそれがあるため、普通行いません。