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私の鍼治療

まず、問診。最初にどのような状況か、それがいつから始まったのか、どのような経過をたどっているのかを聞きます。加えて、それの関連事項、患者さんが忘れていそうな内容を確認します。ここら辺までは当たり前ですね。

次に、座らせて頸部、背腰部、骨盤を触診します。ぐいぐい押したり揉んだりしません。ソフトに筋や骨に触れて全体を触診します。

必要であれば、マッサージの手法などを使って背骨や周辺の筋を調整します。これもきわめてソフトな手技です。たぶん患者さんは、治療されているとは気づかないでしょう。

仰臥位にさせ、脈診と腹診。脈診は、脈状、脈差の両方を見ます。

脈差は、蔵しかみません。府はほとんど見ません。蔵の虚を調べ、腹診の状態と比較し、最終的に虚しているところを決定します。決定すれば、原兪穴で補います。経絡治療みたいに心は省くというようなことはしません。心虚の場合は、太陵を補います。

この際に、蔵の作用を考え、2つ以上補法を行ったり、時には寫法を行うこともあります。

たとえば肝虚の場合、通常太衝を補いますが、上亢が起こっている場合は曲泉を使います。合穴にはけつ逆を改善する作用があるからです。また、肝の補法に加えて、腎を補います。腎は、水と気を制御します。腎を補うことにより水と気を補い、肝血が増えるのを助けるためです。

補法はほとんどてい鍼を使いますが、寫法は浅刺します。

でも何が何でも虚しているところを決定すると言うことはしません。特にない場合は何もしません。

時には、腹部に補法を行うこともあります。浅刺するかてい鍼で補います。

このように全身を調整した後に、局所の治療を行います。

この場合、解剖学、経脈の流れを重視します。

症状のある部位だけに鍼をするのではなく、解剖学的にどのような関連を持ってその症状が現れているのか、あるいは経脈の流れで考えると、どの経穴に刺せばいいのかを考えます。

どの経穴を選択するのかは、解剖学的な要素、および交感神経を中心とした生理学的な要素、経穴の性質を考えた要素を組み合わせて行います。

どの経穴なのか。

常に常に考えます。

一人一人の患者さんに対して考えます。

機械的に同じ症状だから同じ治療をとは考えません。

疲れる行為でしょうけど、お一人お一人の患者さんの治療に対して、どこを刺すべきなのかを考え抜きます。

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