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治療

肩甲骨周囲の痛み

肩甲骨周りの痛み。意外と多く見られます。

治療をする際には、もちろんその部位に何があるのかわかっていなければなりません。

肩甲骨内側には、表層には僧帽筋があります。この筋は意外に痛みを起こしません。筋緊張があったとしても、ごく軽い施術で緩解します。

その深層には菱形筋があります。菱形筋は痛みを良く起こします。肩甲骨を背骨側に引き寄せる筋ですので、肩や上腕に持続的に力を入れて行う動作などをしたときに、筋痛を起こすことがあります。
さらに、小菱形筋の深部付近に、脊柱起立筋を覆うように上後鋸筋があります。これ自体が痛みを起こすことはあまりありませんが、注目して触診した方がいいでしょう。脊柱起立筋の緊張により、伸展されていることがあります。

肩甲骨下角には広背筋がついています。広背筋は腰の方から伸び、上腕骨小結節につきますが、その途中、下角に付着するのです。下角付近が痛いときに、腰部の広背筋の緊張を緩めると、改善することがあります。

肩甲骨外側には、大円筋があります。大円筋は発生学的に広背筋と同一で、やはり小結節に停止します。人により、広背筋線維と大円筋線維の区別がつかないこともあります。

広背筋は、斜め後ろに背中をそらせる動作、大円筋は上腕を内旋させる動作に働きます。両者が共同して働くと、その両方の動作を行います。

ですからそのような動作を繰り返し行う、そのような姿勢を長時間維持すると、広背筋や大円筋に痛みが出ることがあります。

大円筋の上方からは小円筋が上腕骨大結節の方に伸びます。小円筋は、上弯を外旋させる役割がありますので、外旋動作が多かったり、逆に内旋の力学的ストレスがかかると痛みが発生することがあります。

小円筋の前方、肩甲骨内側からは肩甲下筋が小結節の方に伸びます。

この肩甲下筋は、意外と痛みを起こす筋ですが、気づきにくい筋でもあります。腋窩の小円筋前方で触れますので圧してみるとよく分かりますが、時に強い緊張を起こしていることがあります。

肩甲骨の後側、肩甲棘を挟んで上下には、棘上筋、棘下筋があることはご存知と思います。これらも良く筋痛を起こします。

なお、菱形筋と前鋸筋は拮抗関係にあります。菱形筋の痛みがある時に、前鋸筋をリリースすることによりその痛みが緩解することもあります。

また、肩甲骨周りの筋は、三角筋と拮抗することもあります。その場合三角筋も緊張し圧痛を示します。三角筋自体は自覚痛をあまり起こさないので見落としがちです。

肩甲骨上角からは肩甲挙筋が頚椎第1から第4の横突起に向かって伸びます。この肩甲挙筋は肩こりの主要な原因筋の一つです。

肩こりによく僧帽筋の緊張という人がいますが、実際には僧帽筋は肩こりに直接関与しません。もっと深部の肩甲挙筋などがかかわります。

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