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補瀉を考える

補瀉とはいったいなんでしょう。

気を補うのが補で、取り除くのが瀉。

衛気を営気に移すのが補で、営気を衛気まで引き上げるのが瀉。

いろいろな考え方があり、その補瀉の方法も様々です。

最近の中国ではあまり補瀉についてはいわなくなりました。むしろ、必要な部位までどのように気をひびかせるのかに重点を置いているようです。

僕自身は、機能を亢進させるのが補で、過亢進した機能を落ち着かせるのが瀉だと考えています。

これを東洋医学的にいうと、先に述べたような表現になるわけです。

気の存在を否定しているわけではありません。

長年この仕事をしていると、気の「実在」について「実感」してしまう。

口では説明できないけれど、気は存在すると言えます。

その気を自由に操る手法を大別したものが、補法であり瀉法であるわけです。

補うことも必要です。しかし、取り除くことも必要です。補法も瀉法も重要です。

どちらかに偏るというのは正しい鍼治療ではないように思います。

しかしその一方で、しっかりとひびかせるところはひびかせる、これも重要です。

ひびかない鍼ばかりでは、効果は断然落ちます。

これはてい鍼など、刺さない鍼でも同様です。

深く刺さずに皮膚にだけ鍼をする手法もありますが、これでも同様です。

気を操る。

難しいですね。

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