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痛くない押し手

切皮(鍼を刺し入れるとき)に不快な刺痛を感じさせることはできるだけ避けなければなりません。無痛が理想です。

刺し手(鍼を持つ手)にどうしても気を遣うと思いますが、押し手(鍼を支える手)にも注目する必要があります。

まず、鍼を持つ母指と示指の圧の違い。

普通、母指の方がどうしても力が強いものです。均等に鍼をつまんでいるようでも母指の方が強くなっていることが多いんです。

鍼を刺入していくとまっすぐ刺しているつもりなのに斜めになってしまっている…、これはたいてい母指の力が強いために起こります。母指と反対側に鍼が倒れてしまうのです。

次に考えなければならないのは刺入の瞬間。押し手を作り鍼をつまみ切皮しますが、そのときの母指と示指にコツがあります。

母指と示指の皮膚への接地面をわずかに押し広げるようにして、皮膚を引き延ばすのです。

ほんのわずかです。母指と示指の重みを利用して行います。強く行ってはいけません。押し手自身は患者さんに重いと感じさせないようにしなければなりません。

皮膚に張りを作ると、切皮の時の痛みが軽減されます。

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