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病気,鍼灸,健康,オステオパシー

肩の挙上時痛に!専門家が解説する肩峰下インピンジメント症候群

洗濯物を干す際や、高い棚の荷物を取る際、肩に関節が引っかかるような「衝突感」や強い痛みを感じませんか?

もしかすると、それは肩関節の「肩峰下インピンジメント症候群(SIS)」かもしれません。


病態の核心:肩峰下スペースの狭窄

インピンジメントとは「衝突」や「挟み込み」を意味します。解剖学的には、肩の関節において、上腕骨の頭(腕の付け根の骨:大結節)と、肩甲骨の屋根となる部分(鎖骨の外側の肩峰、肩峰の斜め内下の烏口肩峰アーチ)の間にある「肩峰下スペース」が狭くなる病気の形です。

この狭くなった隙間で、肩を動かす際にインナーマッスルである棘上筋腱(筋腱移行部)や、そのクッションとなる肩峰下滑液包(SABと言います)、上腕二頭筋長頭腱(力こぶを作る筋肉の一つで肩からつながっています)が物理的に衝突・挟み込まれ、炎症や組織の変性を引き起こします。腕を横からバンザイさせると、特定の角度(60°〜120°)でのみ痛みが誘発されるのが特徴です。


なぜ単なるマッサージが効かないのか?(生体力学的視点)

痛い肩をマッサージするだけでは、症状は根本的には改善しません。その理由は、この衝突の真の原因が、肩甲骨の動きを司る生体力学的な連鎖の破綻、すなわち「肩甲骨運動異常・肩甲骨が正常な動きをしない(Scapular Dyskinesis)」にあるからです。

正常な肩の挙上(腕を180°まっすぐ上に挙げる動き)には、肩甲骨の「上方回旋(外側へ上に向かって回る動き)」と、同時の「後傾(上部が背中から離れる動き:Posterior tilt)」が不可欠です。

しかし、現代人に多い上位胸椎後弯(猫背)の姿勢は、肩甲骨を構造的に「前傾」させ、正常な後傾の軌道を妨げます。これにより、肩峰が物理的に下がった状態になり、迫り上がる上腕骨と高確率で衝突を起こすのです。

さらに、この後傾を引き出すアクセル役の筋肉(前鋸筋・僧帽筋下部)の弱化と、後傾を阻害するブレーキ役の筋肉(小胸筋・僧帽筋上部・肩甲挙筋)の過緊張が重なることで(フォースカップルの破綻と言います)、肩甲骨は正しい軌道で動けなくなります。


当院の統合的アプローチ:解剖学的・生体力学的修正

当院では、この複雑な病態に対して、鍼灸とオステオパシー(徒手療法)を統合した専門的なアプローチを行います。


鍼灸治療

局所の鎮痛・消炎・血流改善を行うだけでなく、特定の経穴(秉風・天宗など)やモーターポイント(神経が筋肉に進入し、最も効率よく収縮反応が起こる部位)を正確に刺激し、弱化したインナーマッスルやアクセル筋をリセット・再起動させます。 


オステオパシー(手技療法)

筋膜リリース(MFR)、マッスルエナジーテクニック(MET)、カウンターストレイン(SCS)、Spencer Technique(スペンサーテクニック、アーティキュレーション)など、多彩なオステオパシーの専門手技を用いて、軟部組織と関節のリリースを行います。これにより、小胸筋や肩甲挙筋の過緊張を解除し、胸椎や肋骨の可動性を回復させ、全身のテンセグリティ(張力バランス)を整えることで、肩甲骨の本来の正常な動きである「後傾・上方回旋」を再構築します。


このように、構造的なアライメント修正(姿勢改善)と、機能的なモーターコントロール(筋肉の使い方の再教育)の両面からアプローチすることで、肩峰下スペースに物理的な「クリアランス(隙間)」を作り出し、衝突を根本から回避させます。

根本的な原因解決と再発予防の鍵は「肩甲骨の動的姿勢改善・修正」です。


このような長引く肩の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください!


大阪府高槻市の鍼灸オステオパシー | げんき本舗治療院