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(プロ向け)ぎっくり腰への鍼
(プロ向け)
いわゆるぎっくり腰は、どこがその痛みの原因場所かわからないことが多いです。しかし、重要なのは痛みの原因場所を探すことです。闇雲に鍼を打っても意味がないばかりではなく、場合によっては過剰刺激でかえって悪化します。
座位で肩の位置の高さを比べてみてください。たいていの場合患部がある方の肩が上がっています。これは無意識のうちに痛みの場所をかばっているためです。
次に臥位にして、痛みがあると思われる方の腰を手掌で触れてみます。暖かさ、冷たさ、表面の過緊張などの変化がないかどうかを調べます。
通常炎症があるとその部位の皮膚温は上がりますが、過緊張があると自律神経の影響で血行が悪くなりかえって冷たくなる場合もあります。また、痛みのある部位を庇おうとして、表面の筋肉が過緊張を起こします。
これらを総合して判断して、鍼を打つ部位を特定します。多くは必要ありません。たいていの場合、1本ないし3本の鍼で効果を現します。
私の場合、3寸の鍼を用い、大腰筋に刺すことが多いです。もちろん大腰筋が主原因でない場合もあります。その場合は、多裂筋に問題があることが多いでしょう。
鍼を刺すと、数分から十数分そのまま置鍼します。
また局所の鍼の効果を強調させるため、遠隔地である下肢の鍼を打ちます。多く用いるのが、崑崙、陽陵泉、飛揚ですが、すべてを用いる必要はありません。緊張や硬結、圧痛のある経穴を選びます。
たいていの場合これで腰痛は半減ないし寛解しますが、場合により、腹部の拮抗筋に打たなければならないこともあります。