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治療

膜を見て膜を治す

人体を見るとき、膜の連続性を考慮しなければならない。

筋はもちろん膜に覆われている。筋膜である。この筋膜は個々の筋を包むとともに、全身の筋をも連続して包んでいる。一つ一つの筋が存在しているのはもちろんだが、その一方で、全身の筋の連続性を保っているのが筋膜である。

いずれかの筋膜に緊張や肥厚があると、それは全身に波及する。それを念頭に治療を行わなければならない。

膜の構造は、筋膜だけではない。

たとえば腸間膜。腸間膜は後腹壁に空腸や回腸などをつなぎ止めている組織である。もし腸間膜に緊張があれば、それは後腹壁に影響を及ぼしかねない。あるいは後腹壁に何らかの機能障害があれば、それは腸間膜に波及することも考えられる。
すなわち、後腹壁を構成する筋に緊張などがあれば、それは腸間膜の緊張につながることもあるし、腸間膜の緊張を寛解させるということは、後腹壁の機能障害の改善につながる。

さらにいえば、腸間膜は後腹壁を介して全身の筋膜につながる。腸間膜の治療を行えば、全身の筋膜の治療にもなる。

膜組織は、それ以外にもある。硬膜がそうだ。硬膜は脳や脊髄を包んでいる膜であるが、さらに末梢神経をも包む(神経上膜)。
この硬膜は、大孔、第2頸椎、第2仙椎にくっつく。そのため、硬膜の動きの変化は、これら接合部に影響を与える。逆に脊柱を中心とした機能障害は、これら接合部を介して硬膜に影響を及ぼす。

脊柱には筋が付着する。
そうだ、硬膜は脊柱を介して筋膜に影響を及ぼすのである。

このように人体の膜組織は、全身に連関する。膜の全身連関は、ある部位での機能障害が全身に波及する恐れがあることを示す。

げんき本舗治療院
http://www.genkihonpo.com
院長・羽山弘一

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