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按摩・マッサージ

按摩・マッサージ師のための治療法講座(3)

頭痛は、按摩やマッサージでよく扱う症状である。

この頭痛には大きく分けて3つの種類がある。ひとつは、筋緊張型頭痛。頚部や頭部の筋が緊張することに起因する頭痛である。最も多い。二つめは、片頭痛。頭蓋内の血管が収縮し拡張したときに起こるとされているが、その要因はよくわかっていない。嘔気や羞明、音声過敏などを伴う。三つめは、群発性頭痛と言われるものである。きりで眼をえぐられるようなと表現されることもある鋭く強い頭痛が生じる。

按摩やマッサージで効果があがるのは、筋緊張型頭痛である。片頭痛も多少は効果があるが、多くはそれほど期待できない。群発性頭痛に関しては、私の経験では無力である。

しかし頭痛の患者さんがやってきた場合、一般的に次のような場合は、医師の診察を受けるように薦めている。重篤な原因が存在する可能性があるからである。

1,幼児の頭痛
2,その人にとって今までにはない頭痛
3,急に起こった頭痛
4,麻痺、痙攣、項部の強い緊張などを伴う頭痛

さて、筋緊張型頭痛の場合、肩背部、頚部を中心に圧迫を行う。その中でも項部の深層にある短い筋、小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の緊張を寛解させること、その前にそれらの緊張を発見することは重要である。これらの緊は、第1頚神経の後枝である後頭下神経が支配し、椎骨動脈の枝が栄養を送っている。したがって、これらを探り圧迫を加えて緊張寛解を図ると共に、後頭下神経と椎骨動脈の枝にアプローチすることが大切となる。これらは、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋で形成されるくぼみ、椎骨動脈三角にある。ちょうど完骨の斜め下方に当たる。ここに持続的圧迫を加えその後圧を抜くことにより、神経と血管に作用し、これらの短い項筋の緊張寛解を一層促す。
もちろん、その浅部にある頭半棘筋や外方の頭板状筋の緊張にも注目すべきなのは言うまでもない。

片頭痛の場合、これらの筋に対する方法だけでは効果が非常に少ない。最も効果が高いのは頚動脈に対する作用である。頚部全面、気管の左右の深部に頚動脈があるが、そこに圧迫を加える(もちろん片側ずつ)。また頚動脈の表層には頚長筋、頭長筋があるが、これらの緊張も片頭痛に関係することが多いようであるので同時に緊張寛解を図る。もちろん、先述の椎骨動脈三角への圧迫も、椎骨動脈への作用という意味で有効である。
また、嘔気を改善する目的で、迷走神経に対する圧迫も有効である。総頚動脈にそって迷走神経が走行するが、その浅層には前斜角筋がある。前斜角筋の緊張を寛解させ、更に迷走神経に物理的刺激を加えることにより、片頭痛に伴う嘔気などに対しての効果を期待できる。

東洋医学的な観点からは、前回の肩こりに準ずる。

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