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治療

骨盤矯正の愚かさ・2

骨盤は誰でも歪んでいます。

例えば右の腸骨は外方変位をしていることが多いです。これは肝臓の重みを受け止めるためです。もし肝臓の重みを受け止める右腸骨を内方に矯正したらどうなるでしょう。肝臓の自動運動は制限され、呼吸に伴う動きも制限されますから横隔膜の動きに障害が生じる可能性があります。そのことにより、迷走神経の異常、呼吸器の異常、心臓への負担増大が起こる可能性があります。

そもそも、骨盤が歪むのには原因があります。その原因を無視して、無理やり矯正しても意味がありません。

多くの歪みの原因は姿勢不良です。上前腸骨棘と上後腸骨棘を結んだラインは前に12度の角度が普通ですが、姿勢不良が起きるとこの骨盤前傾姿勢が後傾傾向になります。

その結果、内臓の重みの多くを支えている骨盤底筋への負荷がなくなり、仙骨と腸骨で内臓を支えるようになってしまいます。

姿勢不良の原因は本人にあります。骨盤にはありません。

そのことを無視して無理やり矯正しても、そのうちに元に戻ります。

すなわち、原因を無視した骨盤矯正は無意味なのです。

しかも骨盤係に歪んでいたとしても、最初に書いた肝臓の事も含めて、姿勢不良以外に様々な要因が考えられます。

例えば、中殿筋や梨状筋の緊張はどうか、仙腸関節の可動性はどうか、仙骨周囲の靱帯の緊張度はどうか、骨盤腔内の臓器の位置関係はどうか。

それらのことを無視して、例えば単に美容目的のみで矯正するのは弊害の危険がありすぎます。

もし骨盤矯正をするのであれば、もっと解剖学的見地、生理学的見地からの考察を深くしなければなりません。

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