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東洋医学

肺虚から肝虚になる

通常は、肺虚になると肝実となります。これは、肺の宣散粛降作用が低下するため、気と津液が下方に降りなくなり、その結果、腎水が少なくなるため、血の水分が不足するためです。肝は本来血が多い蔵であり、血の水分が少なくなるため、肝血が停滞します。そのため、肝実となるのです。すなわち、肺虚からお(やまいだれ+於)血が生じた状態です。

ところが、もともと肝虚の性質がある状態に肺虚が加わると、肺虚から肝虚がひどくなることがあります。

最初は、かぜの症状、から咳、疲れやすい、顔色が白くつやがないといった肺虚の様相ですが、肝虚になると、不眠、ふらふらする、肩こりといった症状が加わります。

脈を診ると、右の寸口と関上が虚し左の関上も虚します。

治療は、太淵、経渠などを選択し肺を補い、曲泉、太衝などを選択し肝を補います。

僕は、厳格に五行に基づいて五行穴を選択しません。経穴の反応に基づいて取穴します。

水の不足がありますので、腎を補うことも行います。また、脾虚のために津液の産生が不足しているときもありますので、その際は脾を補います。

前者の場合、左尺中が虚し、後者の場合、右関上が虚します。

もちろん、個々の病症にも対処しなければ、治すことはできません。

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