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治療
肝気上亢、肝陽上亢に暑が加わった場合
春は肝気が活発になります。そのため普段から肝気が旺盛な人はよりいっそうその肝気が活発になり上亢してしまうことがあります。あるいは、肝陰が不足している人は陽が上亢しやすくなっていますが、この場合も同様で肝陽上亢の様相を示してしまうことがあります。
肝気上亢と肝陽上亢は症状的には非常に似通っているんですが、前者は実証、後者は虚証ですので治療法は若干異なります。
前者は実証ですので鬱した肝気を瀉法します。たとえば、肝兪、期門、曲泉などを用いてすべて瀉法を行います。
後者は虚証ですが治療を補法一辺倒にしてしまうとうまくいきません。というのは本来は肝陰不足なのですが肝陽が上亢してしまっている結果様々な病証が起きた状態であり、その病証は虚証のそれよりも実証のものだからです。ですからまず肝陽を鎮めるように瀉法を行う必要があります。
このような肝気上亢、肝陽上亢は先ほど述べたように肝が活発になる春に多いものですが、時には春が過ぎても病症が続くことがあります。これは元々肝の変動が大きい人によく見られるものですが、そのまま梅雨になると、肝気上亢や肝陽上亢に暑あるいは湿が加わってしまうことになります。暑は熱によく似ていますが単なる熱気ではありません。熱は一方向から直接的に放射され身体全体をあるいは部分を直線的に犯しますが、暑はどちらかというと「からめ手」で攻めてきます。身体の周りからじわじわと侵襲する感じです。一気に侵襲するのではなく、身体を包み込むようにし弱いところを見つけたらそこから侵襲して犯します。性質的には、熱に湿が混ざったものといえばいいでしょうか。
肝気上亢や肝陽上亢に暑が加わっているとみたなら、各々の治療に、百会、大椎などで熱を取り、膀胱兪、崑崙などで津液の流れをよくし余分な水分を排出させるようにします。すると、うまく病症が寛解するでしょう。
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