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東洋医学

本証と標証のさじ加減

本証というのは、その病の本質となる証のことで、標証というのは、それに付随する証のことです。

ところが場合によっては、標証の方が強く現れることがあります。

たとえば、元々肺虚のある人が風寒邪にやられてカゼを引くと、風寒邪の方が強く感じられ実証に思えてきます。

でも、その人のカゼの本質は、元々持っている肺虚という性質であり、もし肺虚がなければ、風寒邪にやられることはなかったか、もしおかされたとしても軽くすんだでしょう。

ですからこの場合の本証は肺虚証であり、標証は、風寒邪におかされたことなんです。

ここら辺が西洋医学と東洋医学との違いで、西洋医学では、とにかくカゼの症状を「緩和」させて、早く治癒に導こうとしますが、東洋医学では、風寒邪という外からの邪を取り除きつつ、肺虚という本質を改善させようとします

もちろん現実的には、肺虚への補法を中心にするか(或いは先にするか)、風寒邪への瀉法を中心とするか(或いは先にするか)、第三の方法として両方を均等に行うかを選択しなければなりませんが、その辺は、その患者の容体と、本質である肺虚の程度、標証である風寒邪の程度を勘案して決めなければなりません。

つまり、さじ加減が重要になるわけです

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