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経穴,経脈,鍼灸・按摩・マッサージ

第一椎をどこにとるべきか

(プロ向き)

悩んでいます。

にも書きましたが、従来僕は、古典の第一椎ー第7頸椎説をとっています。これは、古代において頸椎と胸椎の区別がなく、背部の上位で最も隆起する第7頸椎棘突起を第一椎として捉えずに、第1胸椎棘突起を第一椎とするのが非合理的だと思うからです。

これは僕が言い出したものではなく、鍼灸真髄や鍼灸治療基礎学など数多くの専門書を著された代田文誌先生が最初に提唱したものです。

たとえば大椎は、第7頸椎と第1胸椎棘突起間にとるのではなく、第7頸椎胸椎の上にとります。

大杼などは大きく変わりますね。大杼を第1胸椎と第2胸椎棘突起間の外方にとると、その上は空白地帯になります。定喘があるよといわれればそれまでなんですが、触れるとやはりここに経穴を置きたい。例えば按摩において、肩上部を施術する際、2線に分けるのが普通です。第1線は肩井を含む1番上のライン、第2線が、第7頸椎と第1胸椎棘突起の外方に取る経穴から始めます。この部分に経穴がないというのは、なんとも不合理に感じます。この空白の経穴、定喘よりもやや外方ですが、使ってみると、肩こり、咳嗽、喘息、項部の痛みなどに効果を表します。

小腸兪も大きく変わります。従来の第一椎ー第1胸椎説では、仙骨の後方になってしまいますが、第7頸椎説をとると、第5腰椎と仙骨間の外方になります。前者ですと例えば深部に刺すことはできませんが、後者だと、腰部深くまで刺すことができます。

悩み始めたのが、李世珍先生の「臨床経穴学」を読んでからなんですね。この本は李先生の実践臨床に則って記述されていますが、背部兪穴などは、第1胸椎ー第一椎説に基づくんですね。第一椎の説における経穴で著効をあげているんだとすると、やはり従来の説の方が正しいのか、悩み始めました。

実は僕は背部兪穴の効果、あまり臨床例がないんです、積極的に背部兪穴に作用させることが少ないからです。ですから比較検討しようがない。

今後、背部兪穴を積極的に使おうと思っています。その際、旧来の説と比較検討して、果たしてどちらが正しいか、調べてみようと考えています。

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