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按摩・マッサージ,オステオパシー
坐骨神経痛への手技
(プロ向け)
按摩やマッサージで坐骨神経痛を治そうとするとします。
圧痛点を押さえる?
梨状筋を揉む?
どちらも間違いとは言いませんが、ベストではありません。
まず、坐骨神経の走行を考えるべきです。
腰部において、大腰筋の後ろを沿うように仙骨神経叢が走っています。
そのため、大腰筋の緊張は坐骨神経痛を起こしやすくなります。
では、なぜ大腰筋の緊張が起こるのか?そこを考えなくてはなりません。
多くの場合、大腰筋は腰を丸くした姿勢により引き延ばされ、そのストレスが緊張を生み出します。
ですから、いくら大腰筋の治療をしていても、患者さん自身が腰を丸くした姿勢を続けているといつまで立っても治りません。
そこで姿勢指導が必要なわけです(もちろん、施術者自身の姿勢が悪ければ話になりませんね)。
次に重要なのが、梨状筋などの殿部の筋肉です。
でも、梨状筋にいくら施術しても、筋肉の緊張は取れません。
ここで必要なのは、梨状筋がどのような作用をしているのかを知ることです。
梨状筋は、外旋に働きます。ところが、外旋筋は梨状筋だけではありません。
一般的に深部外旋六筋といいますが、梨状筋以外に、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋が主な外旋筋です。それ以外に、大殿筋や中殿筋後部線維も外旋に働きます(大腰筋、腸骨筋、縫工筋も)。補助的に、大腿二頭筋長頭も働きます。これら全てをよく観察することが大切です。
また、外旋の拮抗として、内旋筋の働きも考えなくてはなりません。
内旋に働くのは、中殿筋の前部線維、小殿筋、大腿筋膜張筋、その他、内側の内転筋群です。
外旋と内旋は互いにバランスを取るように働きますので、内旋筋の緊張があると、梨状筋を含めた外旋筋の緊張は取ることができません。そのため、これらの内旋筋もよく観察して施術する必要があるんです。
院長・羽山弘一