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鍼灸,肩こり

肩こり部位への刺鍼

(プロ向け)

肩こりについては、凝った局所への刺鍼と遠隔部位への刺鍼の両方の方法がありますが、今回は局所への刺鍼について。今までにも何度か書きましたが、復習もかねて。

よく肩こりは僧帽筋といいますが、僧帽筋が肩こりの主要筋ではないというのが私の考え方です。
肩こりの主要筋は、肩甲挙筋と斜角筋などです。

肩甲挙筋の肩甲骨付着部位に対しては、直接直刺します。ちょうど肩井の部位ですね。
学校によっては気胸を防ぐためか、つまみ押し手しか教えてないところもあると聞いていますが、そんなのでは肩こりを治すことは不可能です。
刺入していくと、硬く感じられ、場合によっては粘つくように感じます。ここが治療のポイントです。肩甲挙筋ですね。その部位で雀啄。細かく鍼を動かすことで、粘つき硬くなった筋膜をほぐしていきます。
肩井の後方、肩甲骨の前側は天髎ですが、肩井の後ろ5分くらいのところですね。腹臥位や座位ですと1寸ほどになります。基本私は側臥位で治療しますので、座位とは天髎の位置が異なってきます。この部位は、肩甲骨の前面に沿うような向きに刺していきます。肩甲下筋への治療となります。

肩甲挙筋に対しては、肩井より側頚部方向に向かっての斜刺も行います。肩甲挙筋の肩の部位、及び後斜角筋への刺鍼となります。

その他の斜角筋に対しては、前頚部、各斜角筋の内側から外側に向け、刺鍼します。深さはほんの1、2分。細かな雀啄を加えることにより、腕神経叢への刺鍼で電撃用の痛みを与えることなく、柔らかなひびきを与えます。

時には、肩甲舌骨筋の凝りがある事もあります。このときは、肩甲骨上角の少し外側の肩甲舌骨筋の付着部位を探し、そこに刺鍼します。

菱形筋も肩こりの要因となります。肩甲骨内側の圧痛点を丹念に探し直刺します。

忘れてはならないのが上後鋸筋。腹臥位にして、両腕をベッドから垂らすようにすると肩甲骨が外転し肩甲骨の内面が少し現れますが、そこに上後鋸筋の圧痛点が現れます。肩甲骨の奥の方が痛いという人がいれば、間違いなく上後鋸筋が原因です。上後鋸筋は呼吸に関係する筋ですので、これが緊張していると、呼吸に不具合がでています。

院長・羽山弘一

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