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腰痛を鍼で治す
相も変わらず、更新がなかなかできないブログで申し訳ありません。
質問を受けたので、ひさびさの更新です。
質問「鍼で腰痛を治そうとするんですが、なかなかうまくいきません。どうしたらいいでしょうか?」
という漠然とした質問です(笑)。
免許を取ってすぐの方ですので仕方ありません。
まず気をつけることは、その人の姿勢、特に座位の姿勢がどのようになっているのかを調べることです。
正しい姿勢は、骨盤がやや前傾し、坐骨結節で座るというより、坐骨前枝で座るような形になっていること。このような姿勢ですと、腰椎は前彎します。腰を丸くして仙骨が下を向いているような姿勢は、いかに上手に腰痛を治そうと思っても、うまくいきません。一時的に治ったとしても、すぐに元に戻ってしまいます。ご高齢の方でどうしてもこのような姿勢をとれないという場合は仕方ありませんが、そうでなければ積極的に正しい姿勢を指導すべきです。
次に、解剖学的にどこが痛んでいるのかを把握すること。
案外深部の緊張を見逃している場合が多くあります。特に腸腰筋と前仙腸靱帯です。このふたつに刺すには長い鍼が必要です(私は3寸の鍼を用いています)。解剖学的な姿位をよく考え、腸腰筋と前仙腸靱帯に刺すことができるかどうか。
腸腰筋は、腸骨稜の上際から斜め中央に向けて刺します。角度が適正ですと、腸に刺さったりすることはありません。坐骨神経痛が出ている方や、ぎっくり腰の方などに有効です。
前仙腸靱帯は、腸腰筋に刺す位置よりも外側から、斜め中央やや後方に向けて(わかります?)刺します。ちょうど前上側から後ろに向けて刺す形ですね。時に骨盤の中がいたいというような方は「ああ、そこそこ」とおっしゃいます。
いずれにせよ、解剖学を頭の中で立体像で思い浮かべることができなければ、うまく刺すことができません。解剖学をしっかり勉強しましょう。
院長・羽山弘一