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治療

手陽明大腸経と項部

黄帝内経・『霊枢』経脈篇に手陽明大腸経は、「柱骨の上に会する」とある。
これの解釈には2説あり、1説は、大椎の直上であるというもの。もうひとつは頚椎全体であるというもの。

筆者は長年前者と思ってきた。
しかし最近その見解を変えざるを得なくなってきた。すなわち、「柱骨の会上」とは、大椎の上という意味ではなく、頚椎全体あるいは項部全体を含んだ位置を刺すものであるという見解に変わりつつある

試しに頚椎関節の関節腔内可動性が減弱している人に対して、手陽明大腸経の経穴(五行穴の経穴の意味)である陽溪に対して輪状揉捏を加えてみよう。しばらく手技を行なってくると、弱らかくなってくるのがわかる。その後頚椎全体を調べると、関節が柔らかくなっている。場合によっては外側の筋も柔軟性を増している。

まだ鍼では試したことはないが、按摩で行うと、頚椎椎間板ヘルニア、ストレートネックなどで症状の出ている人に効果があがるようである。

更に研究を要するとは思うが、「柱骨の会上」は、頚椎項部全体であるように思う。

なお、経穴を用いたのは、手陽明大腸経全体の流れを促進したいためである。

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