ブログ

ブログ
治療

本当に治療のためなのか

猫を買っています。

最近その猫の友達が欲しくて、猫を保護して里親募集している人のところに連絡をしました。

安全を期すためにとの理由で(猫をど実験動物のために売り渡したり虐待する人がいるからです)、20数項目のアンケートに答え(ゆうに1時間かかりました)、その他何度かやり取りをし、最後に昨日お見合いに行きました。

思ったとおりの可愛い猫ちゃんです。しばらくお話をし、その方の言うとおりに脱走予防の道具も買い揃え、ケージも注文しました。
ところが、訪問して24時間立つか立たないかの間を置いてお断りのメールが。
「私と完全に意見が一致していないと不安だからいや」
…。
それではなんのために里親募集をしているのでしょうか。

ここで思ったんです。
野良猫を捕まえる、動物病院に連れていき去勢して病気を治す、里親を探す。
どうも熟考すると、これで自己満足に陥っている人ではないかと。

「私は世界の誰よりもネコのことを考えているんだ。とっても優しい人なんだ。だから自分と同じ考えを完全に共有できる人ではないとイヤ」

要するに自己満足です。

彼女は猫を愛していないのでしょう。猫を愛するフリをしている自分を愛しているんです。自己満足に陥っているんでしょうね。「こんなに猫を愛している自分はなんて崇高なんだ」、そのように思いこんでいるように、今から考えると、言葉の端々に感じていたのです。

これでは猫をダシにした上から目線です。猫が可哀想です。

さて、我々治療家を考えると、このような考えの人はいないでしょうか。

じぶんは「治してやっているんだ。だから崇高なんだ。自分の考えを共有しないやつは本当はダメなやつなんだ」

患者さんは治療家を頼ってきます。もちろん、患者さんに媚びへつらう必要はありません。しかし、本来患者さんの病を治して差し上げているつもりが、「治してやっているんだ」という心に変化してしまっていないでしょうか。

あなたの治療行為は、本当に患者さんのためなんでしょうか。本当は、自分の自己満足のために治療行為をしているだけではないでしょうか。自尊心を満たすためだけに治療行為をしているのではないでしょうか。

私自身も含めて自戒すべきだと、切に思います。

RECOMMEND