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蔵府の熱

蔵府とは、東洋医学における機能の概念で、全てが本当にある臓器をそのままさす訳ではありません。ですから僕は誤解を避けるために、臓腑と書かずに蔵府と書いています。

蔵府は、東洋医学の理論に基づいて、身体の機能を分類したものです。中には本当に存在する臓器をそのままさす機能もありますが、そうではなく、東洋医学としての機能を表すものもたくさんあります。

ここらへんが、現代医学に関わって来た人にはわかりにくい事なんですが、東洋医学の蔵府の概念とは、身体機能の観察に基づいて、東洋医学の理論に乗っ取れば、どのように説明できるかを整理したものなのです。

実際にある臓器は関係ありません。機能としての分類、蔵府とはなにか、その機能はいかなるもので、それぞれの蔵府がどのような関わりをもって関係しているのか、その事が大切なのです。

ですから、蔵府の熱といっても、臓器に熱をもっている訳ではありません。

東洋医学的分類である蔵府が、熱を持つと言う機能をもった、そういう事なのです。

では蔵府が熱を持つとはどういうことなのでしょう。

正常に熱を持つことは、正常な機能を維持するという意味で、正常なことです。

しかし、虚熱(津液や血が不足した状態の熱)、実熱(蔵府の機能が過亢進した状態の熱)は正常ではありません。

でもそれらの熱は、臓器の熱でなはなく、蔵府の熱、すなわち、機能の変調を、寒熱の状態から説明したものなのです。

このようなことをわきまえながら、やはり東洋医学の観点から、とうよういがくに基づいて治療を加えます。

すなわち、虚熱は津液や血を補い、実熱は熱自体を瀉して、過亢進を沈静化させます。

一見とっつきにくいかもしれませんが、東洋医学の考え方、人体機能を東洋医学の理論に基づき考えるという方法を理解すれば、おのずとその構造も見えてきます。

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