ブログ

ブログ
マッサージ

鼠径部の痛みの一例

歩行時に、鼠径部の痛みを訴える人がいらっしゃいました。

ランニング、ダンスをしているとのことです。

鼠径部に圧痛があり、これにカウンターストレイン(オステオパシーでよく行う手法の1つ)を行いました。

痛みは軽減しましたが、まだ完全ではありません。

精査すると、両側仙腸関節に動きの制限が見られ、左仙腸関節上に浮腫状の部分がわずかに見られます。

仙腸関節には圧縮を加えて間接法(動きやすい方向に動かすことにより正しい動きと位置を取り戻す方法)を行いました。関節液に圧力を加えると、関節面の摩擦力は軽減します。これを応用したものです。

大腿三角には圧痛があります。また周囲の筋にも緊張があります。

でも筋には直接触らず、大腿前面の筋膜に注目しました。筋膜は縦の方向にも緊張がありますが、X字の方向にも線維が伸びています。この人の場合、筋膜の上外側から下内側にかけての斜めの方向に緊張が見られました。

この筋膜緊張に対して伸展を加え、加えて脛骨の稜線を調整。

脛骨はやや彎曲していますが、この縦の稜線に変位が出ることがあります。要するに、稜線の彎曲が失われた状態になります。特によく歩く人、走る人にはよく見られる病変です。多くは足関節が内返し状態になっており、これに起因しますが、果たしてこの人の場合もそうでした。

基本的な治療はこれで終了。後は全身状態を調整。

治療後確認すると、左鼠径部の痛みは緩解していました。


RECOMMEND