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経脈

前腕の長さ

古典(素問・骨度篇)では、前腕の長さは1尺2寸半とはっきり書いています。

中国でも、1尺2寸としています(5分は実際上測りにくいから)。

当然のことです。

ところが我が国では、なぜか昔から1尺としてきました。

僕が鍼灸学校在学中も1尺と習いました。

でも、その1尺説は、何ら根拠がないんです。

どの古典にも1尺が正しいとは書いていません。

ですから僕は昔から正確に1尺2寸5分としてきました。

1尺と1尺2寸5分ではどう違うか。

実は、経穴の位置が変わってくるんです。

例えば手厥陰心包経のげき門(げきの左側は×、/、ム、右側は)は手首から5寸と書いています。我が国の取り方は前腕前側の真ん中です。でも、本当の取り方は、それよりも手首寄りです。

それ以外にも、多くの経穴の位置が変わります。

先般の国際経穴委員会で、前腕は1尺2寸と国際的に標準化されたようです。日本案は否決されました。当たり前です。根拠がありませんから。

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