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肉離れの鍼

棘上筋を肉離れした患者さんがいらっしゃっいました。本来なら予約をお断りする時間ですが、よく知っている人だし、夜も眠れないくらい痛いという事ですし。


親せきの子供と一緒にフィールドアスレチックで遊んでいて傷めたらしいと言う40代の女性。確かに棘上筋の一部の筋膜に割れ目が触れます。熱感もあります。


でも、痛くなったのは1週間ほど前とのこと。


そこで鎮痛目的で受傷した部位に1本だけ鍼を刺し、後は、受傷部位への負担を解放することにしました。


棘上筋は肩甲骨の上側に付いている筋で、腕を持ち上げたり(外転・挙上)或いは外にひねったり(外旋)するのに使う筋です。


肩甲骨の内側にある菱形筋などの緊張が強ければ棘上筋に引張りの力が少しですけどかかりますので、まずその菱形筋に刺鍼。


次に、腰から出ている広背筋の緊張部位に刺鍼。この方、以前から腰は悪いんですが、今回は、いつもと違う悪さです。


棘上筋は、上腕骨の大結節と言うところに付いているんですが、広背筋はその前方の小結節と言うところに付きます。人体でもっとも大きな筋です。体を斜め後ろにひねったり、上腕骨を内旋(内側にひねる)するのに使う筋です。つまり、広背筋の緊張は、棘上筋に負担をかけるんですね。


次に反対側の筋膜の状態を見て、左右のバランスを取るように鍼をうち、最後に全身の状態を確認しておしまい。


ご本人に聞くと、腕を上げるときの痛みはなくなったが下げるときに少し痛いとのこと。


後は、保護するために棘上筋に伸縮テープを貼って治療を終了しました。


パソコンに向かうのも苦痛だったようですが、その日の晩にはキーボードを叩けるようになったようです。

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